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平成19年度 共通教育センター活動報告

平成19年度 共通教育センター活動報告      共通教育センター長 中村和男

 

[経緯]

わが国をとりまく状況は、バブル崩壊、経済の低成長化、産業のグローバル化、地球環境との共生など、めまぐるしい変化を続けていますが、「技術」が問題解決の重要な鍵を握っていることは間違えのないところであると同時に、その適切な展開が不可欠となっている。その意味では、本学における技術者教育においても、上記の3視点を掲げた一般共通教育の重要性はますます高まっていると言えよう。

 

 「共通教育センター」は、こうした一般共通教育の本学における企画・推進を、文系・理系の基盤的教育人材を有する教育開発系と技術科学教育人材を有する各専門系とが協調的に図ってゆく組織として、平成19年4月に発足した。

 

[理念・教育方針]

本センターの理念的役割には、以下の2つがある。

 

(R1)  教養教育等(学部の教養科目、修士課程の専攻共通科目)の統括(計画、実施、点検、改善のための管理的実務および必要な行動策の企画・立案のための基盤データ・知識の管理と検討)主体としての教育組織

 

(R2)共通教育全般(学部の教養科目、理学系専門基礎科目、外国語科目;修士課程の専攻共通科目;日本語科目(留学生対応)、教職科目、および関連の補助的学習支援策)についての横断的課題、必要な相互間の連携・調整課題の発掘、提起、分析と対応行動策の企画・提案・管理を行う教育組織間の連携・調整機能

 

なお、「教養教育等専門部会」との役割分担については、以下のように定め活動を開始した。

 

・共通教育センターは、教養教育等の実施管理・企画に責任を有する教育組織(課程/専攻と同等の責任);共通教育全般に関わる課題について必要な情報収集・分析、行動策の企画・立案を行う組織

 

・教養教育等専門部会は、教養教育等の理念・基本方針と実施態勢方針の策定、カリキュラム・実施体制案に関する専門系との調整、教育実績に関する全学的視点からの評価・改善提案を行う組織

 

[カリキュラム編成等]

学部の教養科目、大学院修士課程の専攻共通科目のカリキュラム・授業の計画・管理・改善、外国語教育や留学生教育、専門基礎教育との協調的課題への取り組み、入学前の学習歴や学生の資質の差異に配慮したきめ細かな基礎学力の向上策への取り組みなどに努めている。

 

本学学生には、学部・大学院を通して、専門的な技術に関する知識や能力を身につけるだけではなく、これら共通教育の重要性を認識し、そのための学習に主体的に取り組んでいってもらえることを期待している。また本学教員には、専門教育を活かすことのできる真に実践的、創造的な能力を備えた指導的技術者育成のための一般共通教育への認識を深め、本学学生に豊かな教育を受けてもらえるように協力してもらえることを期待している。

 

 こうした共通教育の管理方針に沿って、表1に示す学部教養科目、修士課程共通科目の分類体系を定め、カリキュラム編成を行っている。 

 

表1 教養科目等(学部、大学院)の科目分類とそのねらい 

 

 

 具体的な科目配置については、文系・理系の基盤教育を担当する先生方と技術科学教育を担当する専門系の先生方が、一般共通教育の様々な企画を協調的に推進してゆくための組織的活動を進めるとともに、学外の教育機関、博物館、企業等の力を積極的に活用し科目の充実化に取り組んでいる。(写真は、京大からお招きした鎌田浩毅教授による「理系の戦略と社会貢献 ― 地球科学の視点から」の授業風景)

 

また、学部の教養科目、大学院修士課程の共通科目のカリキュラム・授業の計画・管理・改善、外国語や留学生の教育、入学前の学習歴に配慮したきめ細かな基礎学力の向上策への取り組みなどにも努めている。

 

 写真1 「理系の戦略と社会貢献 ― 地球科学の視点から」のユニークな授業風景

 

[予算の使い方]

平成19年度の予算額は2,525千円であった。主な使途は次のとおりである。

 

 

(1) 学部教養科目、大学院共通科目の統括         327千円

 ①カリキュラムの改善・充実、②授業実施条件の整備・向上(受講者抽選システムなど)、

 ③教養の啓発、④教養教育の調査・研究

 

 

(2) 共通教育の横断的課題への取り組み         1,905千円

 ①基礎学力向上策(補習、入学前学習、学習サポーター)、②学生情報システムの活用、

 ③教育関連組織間の連携・調整

 

 

(3) センター活動全般                            293千円

 ①業務補助、②ホームページ作成、無停電電源購入、③事務用品

 

[センター会合の活動記録]

平成19年度は、年間を通して、計10回のセンター会合を開催し、活動を進めてきた。以下に、その議事要点を抜粋する。

 

第1回(4/19)

①本センター設置のねらいとあり方

②業務内容、センターの体制とメンバーの役割、センターの運営・活動形態など

③重点課題

  ・現状の教養教育の実態を直視し、教育のサービス水準の維持・向上方策を探る

  ・育成すべき人材象からみたカリキュラム改善の戦略を考える

  ・教養教育の実施体制の変革(専門系、外部機関の協力を得るために)

④本年度の年間活動計画、当面の課題

 

第2回(5/17)

①本センター本年度センターの管理・運営について

②具体的センター活動報告

匠陵・特別講演会計画(教育開発系匠陵講演=森毅先生(京都大学名誉教授))

 学習サポーター制度の活動状況

教養教育カリキュラム・受講実態のデータ整理分析(履修生300人規模科目)

③個別検討課題の抽出と取り組みGの設定

a)教養教育の実態を踏まえた教育のサービス水準の維持・向上方策

b)基礎学力向上策の実態・効果の分析と改善策

c)カリキュラムの問題点の抽出

d)教養教育の実施体制の変革(専門系、外部機関の協力)

e)自然科学教育のあり方と充実策

f)国際コミュニケーション力向上への全学的方策(専門系と連携)

g)ツイニングプログラム留学生への共通教育視点からの課題検討

h)教養教育支援ICTの可能性検討

i)教職課程対応の問題整理と長期的方針検討

j)中期目標・中期計画の共通教育関連の現行点検と次期計画

 

第3回(6/21)

①センター独自予算の申請(業務補助員の雇用、センター用サーバ構築など)

②スペース要請(資料保管、非常勤職員作業、打合せなどのため)

③センター関連情報の管理

  ◆専用サーバーを利用;共通教育HP立ち上げ

 ◆学務課管理の教務情報システム活用による機能向上(授業教材提供)

④CGEセンター講演会計画(「実践企業論」講師)

佐藤英児氏(㈱プロデュース代表取締役社長):「長岡での起業:プロデュースの夢」

⑤教養教育の実施体制の変革(H19年度専門/共通教育の各系授業担当負担実態)

 

第4回(7/26)

①19年度学長裁量経費実施計画(案)について

②共通教育センターHP(案)について説明

 

第5回(9/18)

 ①夏季集中講義「理系の戦略と社会貢献-地球科学の視点から」の計画

 教育開発系主催匠陵講演会の計画

森毅(京都大学名誉教授):「教育の未来」10月1日(月)午後3時より

 ③「技術者倫理」の過剰受講者対策について、担当教員の加藤・三上で具体的な方策を考えていただく

 

第6回(10/29)

①集中講義のHP上での公開について(「理系の戦略と社会貢献―地球科学の視点から」)

②本年度2学期教養科目FD授業公開について

③造形大学との授業交換について

④「技術者倫理」の科目編成の改変について(H21年度から実施する方向で研究会を発足させて検討)

 

第7回(11/26)

①平成20年度共通教育センター予算要求について

②本年度2学期の教養科目FD活動に関して

  科目名:「システム思考論」 担当:中村和男  日時:12月19日(水)2限

③共通教育センターと教養教育等専門部会の活動内容の重複の見直しを進める

 

第8回(1/24)

①教養教育等専門部会と本センターの機能・関係の見直しについて

②基礎学力向上策の実態・効果の分析と改善策(補習教育の実態報告。補習と学習サポーター、正規科目との位置づけを検討していく)

③技術者倫理研究会の立ち上げに向けて

研究会メンバーの検討。講演会企画(3月予定、杉本泰治氏(NPO科学技術倫理フォーラム立上;技術者資格」の著作)

 

第9回(2/14)

①教養教育等専門部会と本センターの機能・関係の確認

②技術者倫理研究会の立ち上げに向けて

各大学の技術者倫理科目情報の収集・整理を進める

③補習教育のあり方・管理について

入学前教育、学習サポーター、補習授業、教養基礎科目等正規授業の相互関連のマッピング(表、図)を作成することになった

④共通教育のFD活動の充実化のために(公開授業の拡大の可能性を検討してゆく)

⑤本年度の教養・共通科目教育を振り返って(「活動記録メモ」を作成する)

 

第10回(3/12)

①補習教育のあり方・管理について

数学、物理、化学、英語について授業、学習サポーター、補習の相互関係と位置付けについて同じ形式で統一的に整理し直してゆく

共通教育のFD活動の充実化のために

今年度はFD部会で実施していた、次年度は本センターで統括して行く方針に

③来年度に向けた本センターの新たな活動展開可能性について

・教養教育の必要性・魅力を学生・教員に知ってもらうため教養の談話会

・本センターのホームページを有効活用し、広報活動を強化

④技術者倫理教育研究会の立ち上げについて

三上教授を中心に研究会を発足し、企業等に勤務経験がある教員をメンバー候補として共通教育センター長として、参加の呼掛けを行ってゆく。本センター主催で3月24日に講演会(杉本泰治氏)を行う

 

[平成19年度共通教育センター構成メンバー]

構成メンバーと関連領域

 

教養・共通科目関連

人文科学=若林敦    社会・管理科学=李志東   数学=原信一郎 

物理学=北谷英嗣    化学=前川博史

 

 

横断的共通教育関連

教職=加藤幸夫     外国語=中村善雄      日本語=加納満

基礎学力支援=中川健治               WEB支援=永森正仁